その7 プロデュース力を上げよう!
~実践!自分をブランディングする~
先ほどの項目でチェックが入った項目も入らなかった項目も、どうすればプロデュース力をあげて、自分をブランディングすることができるのか、具体的な実践方法をまとめてみました。
□1特技がある・・・
自分をブランディングするとは、たくさんのエステティシャンの中からあなたのことをお客様や協力者が「特別な人、価値ある人」と思い、信頼し、頼りにすることです。そうなるためには自分とお店に強みがなくてはいけません。「売れるメニュー作り」の項でお話しましたが、サロンの売りはメニューに必ず表れます。自分やお店の強みや売りが見つかったらそれを相手が飽きさせないように変化をつけて続けることで自然と店は人気店になり、あなたはカリスマ経営者になっているでしょう。
「そんな簡単に見つけられない」「強みと言っていいのかよくわからない」―そんな人には異業種交流会などに参加することをおすすめします。そこであなたがどんな風に見えるのか、外部から、離れてみてもらうことで、見えなかったものが見えてくるかもしれませんし、意外なことが強みと気付くかもしれません。わからなければ行動あるのみ、です。
「売り」や「強み」はいわばコンセプトにもなります。お店の存在意義、存在目的です。逆にいえば、どんなお客様にとって、この店とあなたは必要なのか見えてきます。それが見つかればあとはどんどん発信していくだけ。毎日なんらかの方法で発信することで、信頼度を高め、自分自身の専門性を高めることにもつながります。
□2ブログやHPなどで情報発信していますか?・・・
先ほどの項目で、発信する媒体としてはこんなものがいいのではないか例をあげましたが、あなたの強みを活かしたコンテンツを生み出すという方法があります。
あるピラティスの先生は地域でもっとたくさんの人にピラティスを浸透したい、と思った時に、ネーミングと集客層を変えて募集をかけました。最初はただの「体幹レッスン・初心者ピラティス」だったのを「1コインで始める『転倒防止運動』にしたところ、たくさんの高齢者の方から反応がありました。その先生は、もともとピラティスは難易度の低い運動でも、毎日少しずつ続けることで体幹を鍛え、高齢者の転倒予防になるということを理解していたので、それなら、ズバリ名前を「転倒防止」にしようと変えたところ、ものすごい反響があったそうです。この先生にとってこれが一つのコンテンツとなったのです。
□3常に人との違いを意識していますか?・・・
エステティックのトリートメントにはさまざまな方法があります。例えば、タイ式マッサージ、リンパマッサージ、ロミロミ、バリニーズ式マッサージ、スウェディッシュトリートメントなどです。これらはもともと海外のものを日本風にアレンジして導入しています。このトリートメントをさらに店独自の方法で取り入れて差別化を図っている店があります。ヨガが得意なのでヨガをメニューに組み込んだり、カイロプラクティックができるので、ソフトカイロなどとしてマッサージに取り入れたり、自分の得意なものをトリートメントと組み合わせることで独自のスタイルを打ち出しているのです。または細分化すること(パーツエステ)に絞って、気軽に部分だけ施術できるようメニューに取り入れている店もあります。これらは皆、ほかとの違いを求めて追求した結果、取り入れたもので、ブランディング力を高めるのに役立ちます。
□4お客様から慕われていますか?・・・
アイドルの場合、ファンがいなくては成り立ちません。それと同じで、ファンがいなければ、慕ってくれるお客様がいなければ商売は成り立ちません。ではあなたが誰かのファンになるのはどんな人ですか? アイドルでさえ、最近は可愛いだけではなく、握手をすればやさしく声をかけてくれる、性格のよさそうなアイドルが人気です。性格のよさがにじみ出る、そんな人のファンになったりするものです。これは店に置き換えても同じこと。技術がいい、接客もいい、性格もいい、ここまでくればバッチリ! あとは常にやりとりを続けること。定期的にアクションを起こすことです。方法としては手紙、メルマガ、イベントの告知、講座の開催などです。
□5周りの人を褒めていますか?・・・
「褒めて伸ばす」という言葉があるように、人は褒められると、嬉しくて頑張ったり、またその人に褒められたいと願うようになります。人の喜びを素直に喜べる人は、信頼されますし、その喜びは必ず周りまわってあなた自身のもとへとかえってきます。褒めればやさしい気持ちになります。やさしい気持ちになれば感謝の気持ちを持つことができます。スタッフ、家族、先輩、友人、縁でお世話になった人など皆の幸せを願い、感謝の気持ちを持ち、分かち合いを忘れなければ、いい関係を続けることができます。ひいてはそれが成功への道につながります。
□6「先生」といわれますか?・・・
先生と呼ばれるからには何かで「尊敬」されなくてはいけません。あなたは美容と健康の先生になれるのです。どうしたらなれるのでしょうか。まずは技術を磨くことでしょう。技術は施術前と後で必ず違いがわかるような技術を身に付けることです。そして美と健康についての知識を持ちましょう。そしてそれを相手にわかりやすく、納得してもらえるような話しができるようになってください。お客様はあなたの施術を受けて満足し、話を聞くことで悩みがクリアになればあなたのことを尊敬します。
外部の方からも「先生」と呼ばれるにはメルマガを書いたり、美容講座・健康講座の講師になったり、雑誌などで連載を持つ、雑誌やテレビに出演する、本を出版するなどがあげられます。美容系の出版社宛にニュースレターを出したり、ブログで美容情報を更新していくのもいい方法でしょう。
□7エステティック業界以外の方とも情報交換していますか?・・・
異業種の方との機会を持つのはさまざまなメリットがあります。自分の常識を変えるような出会いがあるかもしれません。エステティック業界で通用しそうなアイデアやヒントがたくさん見つかるかもしれません。探していたブランディングのヒントも見つかるかもしれません。情報交換して幅広くアンテナを広げておくことであなたのブランドの知名度が上がるかもしれません。逆に、先方の望むものを提供できるかもしれませんし、そうなればチャンスです。仕事上のパートナーになるかもしれませんし、仕事の依頼がくるかもしれません。会に参加する前に、必ず用意しておきたいものがあります。それは「名刺」です。写真入りの名刺をつくればインパクトもあり、記憶に残せるのでおすすめです。自己紹介もあらかじめ考えておくと、伝えたいことがきちんと伝えられるでしょう。
□8ブランディング力がすでにある人に近づき勉強していますか?・・・
あなたが信頼している人から「コレおすすめですよ」といわれると「なるほど、これいいものなのね」と納得できませんか? これと同じこと。すでにブランド力のある人があなたのことを推薦すれば、「あの人が言うんだから間違いない」とあなた自身も信頼されるのではないでしょうか。より多くの人があなたのことを認めるので、あなたの価値はグーンとあがります。ブランディング力も高まるでしょう。
□9メディアの方とのつながりを持つように努力していますか?・・・
メディアを利用すると想像以上の反響があります。メディアとは「TV」「雑誌」「ラジオ」「新聞」「インターネット」などです。メディアはいつも新しい情報、ためになる情報を求めています。パイプをつくり常に情報協力者として重宝されるようになるとよりあなたのブランディング力は高まります。最初に情報を提供する際に気を付けることは、宣伝し過ぎないこと。情報を発信する立場に立って、どんな情報なら面白がってもらえるか、ためになると思ってもらえるか、よく考えまとめましょう。通常、雑誌やTVで広告してもらうとなると、莫大な費用がかかります。それを無料で取材してもらおうというわけですから、有意義な情報でなければ取り上げてはもらえないでしょう。
「ざわちんさんがモノマネメイクで度々TVで取り上げられています。もともとはインターネットなどで話題になり、取材が増え、現在では芸能人のような活躍ぶりです。誰かにいわれてしたのではなく、自分で研究して常に発表し続けたのが話題になったのでしょう。メディアから注目される存在になると名前が浸透するため、売り込まなくてもお客様の方からやってくるのです。ブログやインターネットのSNS(ソーシャルネットワーキングサイト)、facebook、まぐまぐのメールマガジン配信サービスなどを利用するのもおすすめです。
□10スタッフに指導や教育がきちんとできますか?・・・
「先生」と呼ばれるためには、まずは一番身近なスタッフから「先生」と呼ばれなくてはいけません。スタッフに先生と呼ばれるには技術はもちろん、美容や健康の知識、接客方法、接客態度まで教えることができなければなりません。さまざまなことを教わると、教わった方は師弟関係、いわゆる師匠と弟子の関係を感じて教えてくれた人を「先生」と呼びます。