その3 人気店とそうでない店との違い
~人気店がやっている基本的なこと~
人気があっていつも予約が入っている店と、そうでない店との違いはなんだと思いますか? 人気がある店というのはいくつかのおさえるべきポイントをおさえています。そのポイントとは以下のようなものがあげられます。
①お客様の喜びを優先できる
サロンを経営する上で、「利益」は大事ですが、お客様がいるからこそ利益が出ているということを絶対に忘れてはいけません。いつもお客様が喜んでくれそうなサービスを提供できていますか? 利益を出しつつ、お客様を笑顔にするサービスを怠ってはいけません。
②新しいサービスを常に提供している
①を考えると、お客様が喜ぶこととは何かを常に情報収集すべきであることがわかります。また、その情報を精査した上で、実際にお客様にサービスとして提供していくことが大切です。情報に敏感なお客様はいつも新しいことに挑戦する店に好感を持ってくれます。毎回メニューが同じで、やることも一緒では飽きてしまいますし、このサロンは勉強していないのかな、と思われてしまいます。流行に飛びついてなんでもかんでも取り入れる、というわけではなく、新しいことを取り入れようとする気持ちや姿勢が大事だということ。お客様は常に新しいものを欲していますが、新しい=すべて良い、でもありませんので“お客様のニーズにあった”新しいサービスを提供するように心がけましょう。ただし、新しさにばかりこだわって収支のバランスを失わないこと。経営者は利益の追求も必要ですので工夫しながら新サービスの提供に励みましょう。
③失敗してもまた挑戦する
失敗は成功のもとといいます。たとえ失敗したとしてもその原因は何かをきちんと考え、改善していくことでかえって成功に近づくことを意味しています。ソフトバンクの孫正義氏は「失敗を恐れずにさまざまな手段を次々に試していれば必ずどこかで当たります」(「孫正義が40年間語ってきたこと」フォレスト出版)と言っています。物事を前向きに捉え、失敗したとしても折れないでまた挑戦する。それは経営者として持つべき資質ともいえます。失敗を恐れずに、挑戦する気持ちを持ち続けてください。
④思いを伝えてスタッフやお客様を味方につける
人気店の経営者は目標を言葉や態度でスタッフやお客様にも伝えています。なぜならその熱意に共感すると人は良き理解者となり、協力者となってくれる可能性が高いからです。納得して理解してくれることほど心強いことはありません。スタッフの目も輝き、サロンの雰囲気も格段によくなるでしょう。
お客様に対しては「こんな風にキレイにしていきたい。だからこんなケアを自宅でお願いしたいのです」と熱意を伝え、サービスに励めば、お客様もあなたの頑張る姿を快く思い「この人になら施術をお任せしたいわ。この人の言う通りに自宅でも頑張ろう」と思っていただけるようになるでしょう。
⑤目標を具体的に設定する
大企業で必ず行われているのは長期目標、中期目標、短期目標というように目標を期間別に設定することです。5年、10年先といった長期的な視野に立って設定した目標と、その中間の数年先の目標と、1年以内の短期的な目標の3つですが、これをあなたの店にもあてはめて設定してみましょう。まずは長いスパンの目標から設定してみましょう。大きい目標から作ると、「この目標を達成するためには数年先はこうならないといけないな、そのためには1年以内にこうならないといけない」という目標の逆算ができます。大きな目標を達成するために、現在の行動から、少し先の行動、数年先の行動まで、やるべきことがおのずと見えてくるでしょう。大きな目標とは、どんなものでしょうか? 例えば「本を出版する」でもいいでしょうし「店舗を増やす」でもいいでしょう。この目標、いわゆる「志」があるかないかで店が人気店になれるかなれないかを分けることになるでしょう。