その3 開業したらまずマーケティング
~店の存続をかけて始めるマーケティングとは~

エステサロンを開業する女性起業家が増えていますが、開業の裏で廃業するサロンは2割以上ともいわれています。
一エステティシャンとして働いていた時は、お客様もたくさん担当したし、売上もよかったのに、開業したら『こんなはずじゃなかった』という起業家が多いのもエステティック業界ではよく聞かれる話です。

女性の起業家の課題を男性と比べてみると
「経営に関する知識・ノウハウが不足している

「事業に必要な専門知識・ノウハウが不足している」

考える割合が高いことがわかりました(中小企業白書・2011年度版より)。

これは就業経験の短さから、経営や事業に関する知識や経験を得る機会が少なく、またこれらを助言してくれる人に会う機会が乏しいことが要因とされています。

開業した女性たちが、起業時に欲しかった支援は何かをアンケートしたところ、

「同じような立場の人との交流の場」
「経営に関するセミナーや講演会」

と答える割合が、男性よりも高いことがわかりました。

さらに起業家へのアンケートによると、マーケティング情報収集のためにかけた費用 は0円という結果が39.3%と最も多いことがわかりました。
ちなみに0円超~50万円以下は 26.4%でした。
このアンケート結果からも、マーケティングを重視していないことがわかります。
(2012年度の中小企業の起業環境に関する調査より)

開業とは店を経営することです。経営者であれば通常「マーケティング」(顧客ニーズをつかんで、ニーズにあった計画を立て、もっとも有利な販路計画を選び、販売促進努力により需要の増加とあらたな市場開発を計る企業活動のこと)についての知識が必要です。
開業された人の中にはマーケティングについての知識があまりないままお店をオープンしてしまう人が多いことがわかりました。
マーケティングを知らないが故に、店の経営が成り立たず廃業するケースが増えているのです。そのマーケティングを実践することで、集客に結びつく方法があります。

ダイレクトレスポンスマーケティング
その方法とは、他業種ではすでに実施していることの多い
「ダイレクトレスポンスマーケティング」という手法です。
このダイレクトレスポンスマーケティングとは、広告などを介して消費者とコミュニケーションを図り販売促進するというものですがそこからレスポンス(反応)をフィードバックすることができるという特性を持っています。たくさんの人にむやみに情報発信するのではなく、興味を持っている人にだけ、見込み客にだけ的確なアプローチをして獲得していきましょうというマーケティングの手法です。
具体的には HPやブログを開設し、そのHP内にお客様のメールアドレスが残るような仕掛けを作ります。そのアドレスにメールやメルマガなどでお客様が興味のある情報を定期的に配信していきます。すでに来店者であればフォローのメール、まだ来店されたことのないお客様なら店に興味を持ってもらえそうなイベントの告知など、お客様に合わせた内容をお送りすることでコミュニケーションを図り、リピーターもしくは新規顧客の開拓につなげます。
気軽に起業するのは女性は男性の といわれていますが、廃業するのも女性は男性の倍といわれています。サロンの存続を望むなら女性の起業家はマーケティングの手法を取り入れるべきでしょう。